08th 10月2012

OTOSHA35「米国の貧困」day3受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA35「米国の貧困が日本にもやってくる」day3の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

9月は「米国の貧困」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、デジタルハリウッド大学様のご厚意により、教室をお借りして実施しました。

Day3では、コーポラティズムの弊害について、議論を深めました。

Day3のポイントは、次の3点です。
■米国刑務所民営化による弊害の背景にはコーポラティズムがある
■従業員が利益追求のみに加担する点にコーポラティズムの行き過ぎが垣間見える
■サラリーマンが忌避する青臭い議論の中に、過剰なコーポラティズムの回避策がある

(さらに…)

18th 9月2012

OTOSHA35「米国の貧困」day2受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA35「米国の貧困が日本にもやってくる」day2の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

9月は「米国の貧困」をテーマとして、3回、セミナーを行います。同月は、デジタルハリウッド大学様のご厚意により、教室をお借りして実施します。

Day2では、米国の軍・教育について、議論を深めました。

Day2のポイントは、次の3点です。
■米国は、戦争中毒国家である
■米国の教育制度には傷みが生じて来ている
■米軍が教育に介入し始めている

以下、具体的に書きます。

■米国は、戦争中毒国家である

米国は建国以来、西部のフロンティア目がけてネイティブ・アメリカンを駆逐しながら「開拓」を行って来ました。生まれながらにして、戦争国家です。19世紀中盤には西部カルフォルニアに到達し、以後のフロンティアは、「太平洋より先の西部」となりました。ペリーが日本に来たのは、丁度、その頃に当たります。

米国は、その後、フィリピンを植民地化します。まず、海兵隊を送り込んで軍事的に平定した後、民主主義政権を樹立させて自由市場を創設した上で資本家を送り込んで富を築きます。

米国は、欧州諸国に比較して、遅れて帝国主義国家となりました。そのため、欧州諸国とは、帝国主義の様相を異にしています。欧州諸国は、まず、個人商人や宣教師が「未開」の地に乗り込んで行って、ある程度基礎を築いた後に、なし崩し的に国家が植民地化していきました。これに対して、米国は、最初から「国家」が組織的に植民地化のプロセスを担います。そのため、海兵隊と資本家とが密接に連携を取りながら植民地を形成していったのです。米国の植民地化は、国家による戦争を最初から前提として実施されました。

その後、米国は、第一次・二次大戦と、戦争に勝利した後も、戦争継続の手をゆるめません。大きな所で言えば、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、アフガン戦争・・・。その他、アフリカ諸国等でCIAが仕掛けた戦争等を含めれば数知れません。

これらの戦争継続は、元々のフロンティア精神に基づく戦争の下、軍事産業がロビー化し、軍産複合体性がつくり上げられてきた事が大きな背景にあります。また、銃器ロビーもあって銃規制がなされない中、戦争に不可欠な銃が国民生活に身近な存在であって、人々が戦争に余り違和感を感じない事もあると考えられます。

もちろん、戦争反対の声は数多く上がっていますが、戦争中毒を潰すには至っていません。元将軍であったアイゼンハワー大統領の軍縮策はあまり効果はありませんでしたし、軍縮を唱えたケネディーは暗殺されました。また、同じく軍縮を唱えたクリントンは、モニカ・ルインスキー事件で窮地に陥る結果となりました。

こうした戦争中毒化は、2つの課題をもたらしています。

1つは、軍事費の膨張です。これを賄うために日本・中国に大量の国債を購入させると共に、軍事費削減のため軍事のアウトソーシング化を行っています。また、「小さな国家」を標榜する事で、軍事費以外の国家予算を削減してきました。

もう1つは、兵士の不足です。現代の戦争は、兵器が高度化しスキルが要求されるようになり、また、イラクにおける警備業務のように過度な精神的ストレスがかかる状況になって来ています。そのため、未熟練兵を前提とする徴兵では成り立たず、志願兵でなければ兵士として勤まらなくなっています。そのため、深刻な兵士不足に陥っています。

■米国の教育制度には傷みが生じて来ている

米国では、18歳になったら1人前の大人として親から独立するという発想が強くあります。そのため、高校卒業後は、教育を受けようと思えば、自分のお金で大学に行くのが一般的です。ただ、米国では、無償の奨学金制度が発達しているため、これまでは、望みさえすれば、それほど苦も無く大学教育を受けることが可能でした。

しかし、リーマンショック以降の景気後退に伴って、気前よく奨学金を提供する企業や個人が減って来ました。それでも「18歳以降の自活」という慣習は変わっていないため、大学教育のための教育ローンが急激に増加してきました。これは、従来の奨学金とは異なり、将来の利子付き返済を契約するものです。

ところが、最近、米国においては、不況に伴って、職に就けない若者が急増しています。彼らは、学費ローン返済に苦しむ状況に陥っています。この状況が続けば、「第二のサブプライムローン」に繋がりかねない危うさを孕んでいます。

■米軍が教育に介入し始めている

先にみた、兵士不足の問題を抱えた米軍。彼らが目を付けているのが、学費に苦しみ始めた若者たちです。「海外での高給の仕事」、あるいは、一定期間の軍務終了前後の大学進学を持ちかけます。

学校(高校)としても、軍が生徒の大学進学を保障してくれるのは歓迎する事があり、生徒の個人情報を軍に提供する場合があります。その場合、軍は、軍服で高校にリクルートに来て、学生をスカウトしていきます。

現在、多くの軍務は、「警備会社」等にアウトソースされています。そうした警備会社勤務となった場合には、任務終了後も、名誉は与えられず、傷病手当も支給されないケースがあります。任務終了後は、傷が癒えるのを期待する事も出来ず、貧しい元の暮らしに戻らざるを得ない人々が出て来ています。

元々、米国にとって、軍はフロンティア精神の象徴でしたし、18歳からの自活は個人の自律精神の象徴でした。しかし、自由・自律精神に行き過ぎの兆しが見え始め、行き過ぎが自己増殖的に加速するメカニズムの車輪が回り始めています。

自由主義・資本主義に対抗するイデオロギーが欠けている今、この行き過ぎに対する歯止めとなる思想の軸が、今、求められています。そのことは、大体、15年遅れで米国の流行が伝わって来る日本においても、考えておかなければいけない時期に来ています。

(by JIN)

17th 9月2012

OTOSHA35「米国の貧困が日本にもやってくる」day1受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA35「米国の貧困が日本にもやってくる」day1の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

9月は「米国の貧困」をテーマとして、3回、セミナーを行います。同月は、デジタルハリウッド大学様のご厚意により、教室をお借りして実施します。

Day1では、米国の医療制度について、議論を深めました。

Day1のポイントは、次の3点です。
■米国の医療保険制度は自己責任原則に根差している
■過度なコーポラティズムが保険制度に歪みをもたらしている
■TPPは、日本の健康保険制度を破壊する

以下、具体的に書きます。

■米国の医療保険制度は自己責任原則に根差している

米国の建国は、英国による徴税に対する反発を機にしています。そのため、基本的に、社会保険料も含め、国による税等の徴収を嫌うメンタリティが強くあります。こうした背景から、米国の医療保険制度は、企業の福利厚生の一環として設けられているものが主になっています。

したがって、企業に勤務している間、および、リタイア後の保険については整備が進んでいます。

しかしながら、失業してしまった場合については、企業による保障の対象外となるため、保険の枠外に置かれてしまいます。また、保険会社も、保険金が高くなりうまみも少ない失業中については余り手を出しません。その結果、失業すると、望んだ高額の医療が受けられなくなるという実態があります。

とはいえ、米国では、転職市場の流動性も高く、人生にセカンドチャンスを与えるというセーフティネットとして機能してきました。そのため、失業のリスクを抱えつつも、自己責任原則を貫くものとして、企業主体の医療保険制度が、それなりに納得感を持って維持されてきました。

■過度なコーポラティズムが保険制度に歪みをもたらしている

しかし、1990年代の共産主義の崩壊に伴って、資本主義の弊害に抗う強力なイデオロギーは息をひそめることになりました。その結果、企業が金儲けを自己目的化する価値観について異を唱えられる事もなくなり、金が金を生む状況が加速し始めました。

もちろん、以前も、企業による政治に対するロビー活動は存在していました。ただ、それは、政治家個人を買収するレベルに留まっていました。しかし、グローバルレベルでの強烈な金儲けにより桁違いの財力を得るようになった企業は、政治そのものを乗っ取る事が出来るレベルにまで影響力を拡大するようになりました。

こうした過度なコーポラティズムが、米国の保険制度にも大きな影響を及ぼすようになっています。

本来、企業の自由競争は、医療価格の低下を招くはずです。しかし、逆に、医療費は高額化の一途をたどっています。それは、製薬会社が高額な薬品の認可を取り付けるために政治を動かし、保険会社が医療過誤訴訟の保険金高騰化を仕掛けて保険料増額の結果をもたらしているからです。

結果、製薬会社・保険会社の富は巨大化しますが、そのしわ寄せが個人に及んでいます。
こうした事態を受け、オバマは失業中の低所得者層向けの保険制度導入を公約に掲げましたが、今一つ受けは良くなく、十分な実施には至っていません。その背景には、米国人が、なんとなく保険制度の欠陥に気付きつつも、その歪みをもたらすメカニズムにまでは考えが及んでいない事があるものと考えられます。

■TPPは、日本の健康保険制度を破壊する

他方、日本においては、失業中も含め、基本的に国が保険者となって、全国民が保障される国民皆保険型の健康保険制度が完備されています。逆に言えば、この「国」という枠が外れて私企業が参入できる事を仮定した場合には、そこには、莫大なマーケットが眠っているという事です。

実は、ここ数年、米国が執拗に日本に迫っているTPPの狙いの1つが、この健康保険制度にあります。

TPPには、ISD条項というものがあります(投資家対国家の紛争解決 (Investor State Dispute Settlement、ISDS) 条項)。これは、投資家が、外国政府についてTPP違反と考える場合に国際仲裁機関に対して訴える権利を認めるものです。この場合、訴える相手国における裁判手続きを経ずに決着が得られる事になります。これによれば、たとえば、米国生命保険会社が、日本の健康保険制度の不備を訴え、国際仲裁機関がそれを認めれば、健康保険制度の改定を余儀なくされる事態が生じ得ます。

具体的には、健康な富裕層をターゲットにして外資系生保が乗り込んでくることが考えられます。健康保険は障がいのある低所得者層も含めてカバーしていますので、健康な富裕層だけで保険をつくれば、後者には有利な条件で保険金を設定する事が出来ます。現在、健康保険でカバーされている保険領域について、そこに参入できない事は不合理とISD条項に基づいて訴えを起こすことが考えられます。米国では国民皆保険制度を取っていないので、その基準に合わせるべきだと。この主張は、健康な富裕層には受けが良いものなので、社会主義が退潮した日本の国内においても支持が得られる可能性が高いです。

そうなると、国民皆保険を旨とする日本の健康保険制度は破壊されます。そこに広がるのは、一部のメガ金融だけが生き残る荒涼とした世界です。

(by JIN)

15th 9月2012

OTOSHA34「生命倫理をどこまで認めるか」受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA34「生命倫理をどこまで認めるか」の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

8月は「生命倫理をどこまで認めるか」をテーマとして、セミナーを行いました。同月は、株式会社プロジェクトプロデュース様のご厚意により、会議室をお借りして実施しました。

ポイントは、次の3点です。
■代理母を考えることは創造性につながる
■代理母には弊害がある
■代理母を否定するのは難しいが、否定できなくはない

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08th 9月2012

OTOSHA35「米国の貧困が日本にもやってくる」day1受講記録

by tenpei

おとなの社会科、営業担当の天平です。一人の受講者として感じたことを書いていきます。

●TPPの狙いは自由貿易ではない。

既に日本の関税は殆どの品目が2~3%程度で、他国にとって、日本の関税が撤廃されるメリットは小さい。むしろ、関税が撤廃されることで困る国は多い。高品質の日本製品が大量に流入し、自国メーカーの商品を 圧倒する可能性があるからだ。米国のフォードが日本のTPP参加に反対している。

(さらに…)

08th 9月2012

OTOSHA34「生命操作をどこまで認めるか」受講記録

by tenpei
おとなの社会科、営業担当の天平です。一人の受講者として感じたことを書いていきます。

■インドの代理母

●費用:300万~500万

・うち、現地の医療機関に支払われるお金:100万

・医療機関から代理母に支払われるお金 :50万

※アメリカ国内で代理母による出産をしようとすると  600万以上は必要。 (さらに…)

21st 8月2012

OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day3受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day3の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

7月は「サンデルの政治哲学」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社セルム様のご厚意により、会議室をお借りして実施しました。

おとなの社会科では、今年後半から、ロジカル・ファシリテーション力を高めるためのディスカッション形式を取り入れています。実際にファシリテーター役を設けて、pacoさんの指導を絡めながら実践力を鍛えています。

今月は、「サンデルの政治哲学」を素材にして、功利主義、リバタリアニズム、カント哲学の3つの哲学思想について切り込みました。

Day3では、カント哲学に関して検討しました。

Day3のポイントは、次の3点です。
■カントは、自由尊重の理論的根拠を与えた
■カントの理論に決定的反論は未だに加えられていない
■カントに従えば、自由に関する俗説のウソを見破れる

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21st 8月2012

OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day2受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day2の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

7月は「サンデルの政治哲学」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社セルム様のご厚意により、会議室をお借りして実施しました。

おとなの社会科では、今年後半から、ロジカル・ファシリテーション力を高めるためのディスカッション形式を取り入れています。実際にファシリテーター役を設けて、pacoさんの指導を絡めながら実践力を鍛えています。

今月は、「サンデルの政治哲学」を素材にして、功利主義、リバタリアニズム、カント哲学の3つの哲学思想について切り込みました。

Day2では、若者の雇用問題をテーマにして、リバタリアニズムに関して検討しました。

Day2のポイントは、次の3点です。
■リバタリアニズムには、功利主義よりも魅力的に見える点がある
■リバタリアニズムには、行き過ぎに見える点もある
■イデオロギーは、その源流と限界を押さえることが重要である

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23rd 7月2012

OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day1~3受講記録

by tenpei

おとなの社会科、営業担当の天平です。一人の受講者として感じたことを書いていきます。

■Day1のポイントは「功利主義は社会問題の解決の原理原則にはならない」です。
功利主義(ベンサム流)の考え方は「最大多数の最大幸福」。 簡単に言うと、質ではなくて、量で判断する考え方。例えば 「橋の上に巨漢がいます。橋の下には小学生の列に 突っ込んでくる暴走車がいます。巨漢を橋から突き落せば 暴走車は巨漢に当たって止まり、小学生達は助かります」 という状況下で、最大多数の最大幸福(=小学生達が助かる) ためであれば、巨漢は突き落して殺して良い と功利主義では考えられます。

(さらに…)

21st 7月2012

OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day1受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day1の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

7月は「サンデルの政治哲学」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社セルム様のご厚意により、会議室をお借りして実施しました。

おとなの社会科では、今年後半から、ロジカル・ファシリテーション力を高めるためのディスカッション形式を取り入れています。実際にファシリテーター役を設けて、pacoさんの指導を絡めながら実践力を鍛えています。

今月は、「サンデルの政治哲学」を素材にして、功利主義、リバタリアニズム、カント哲学の3つの哲学思想について切り込みました。

Day1では、若者の雇用問題をテーマにして、功利主義に関して検討しました。

Day1のポイントは、次の3点です。
■ファシリテーターには、「介入」が必要である
■一見合理的な功利主義にも、弱点がある
■問題解決には、各人の自説の展開よりも原理原則論の確認が有効である

以下、具体的に書きます。

(さらに…)

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