16th 11月2012

OTOSHA37「宗教なしの中東史」day2受講記録

by tenpei

おとなの社会科、営業担当の天平です。

以下、day2の内容を①用語解説②国々の特徴③ユダヤ人とイスラエル④米英の中東支配、の4本立てでまとめていきます。

 

①用語解説

・イスラム教スンニ派:イスラム教全体では多数派。コーランを厳格に守ろうとする。

・イスラム教シーア派:イスラム教全体では少数派。スンニ派ほど厳格ではない。

・原理主義:世俗主義を邪教とみなす。原理原則(イスラム教でいえばコーラン)を重視。

・世俗的・世俗主義:宗教と政治が分離されている様子。イスラム教の厳しい戒律から解放された状態。宗教色は強くない。

・シオニズム:イスラエルに故郷を再建しようというユダヤ人の行動

 

 

②国々の特徴(影響力の大きな国を北から南に向かって見ていきます)

・トルコ:第一次世界対戦で広大な土地(中東一体)を失う。その後、ヨーロッパに近い国作りを行う。EU加盟が遠のき、現在はイスラム色を強めている。世俗的。

・イラク:米国の支援によってイラクでは少数派のスンニ派が政権(フセイン)を握っていた。フセインは世俗的な社会を構築。イラク戦争後、米軍が撤退してからはイラクでは多数派のシーア派色が強くなっている。

・イラン:シーア派。宗教色強い国。ゾロアスター教といった古い宗教の教えも残っているため「イスラムの皮を被っている」と言われている。

・イスラエル:ユダヤ教。

・エジプト:世俗的。

・サウジアラビア:スンニ派。宗教色強い。

 

こう見ると、同じ中東と言っても、宗派が異なったり、宗教色の濃さが異なるなど、それぞれの国に特徴があります。イスラム教徒と一括りにしてしまう訳にはいきません。

 

 

③ユダヤ人とイスラエル

・ユダヤ人は約2000年前にローマ帝国に反乱を起こすが鎮圧され、ヨーロッパ各地へ離散

・1800年代のロシアでのユダヤ人迫害(ホグロム)、1900年代のナチスによるホロコーストにより、シオニズム運動が活発になり、1948年に建国。

・建国後、ユダヤ人はイスラエルに以前から住んでいたパレスチナ人を抑圧。ガザとヨルダン川西岸地域に封じ込めている。

 

ユダヤ人は離散後、各地に根差して生活をしてきた。ずっとシオニズムの思想があった訳ではない。迫害を受けたからといって、パレスチナ人が住んでいた土地を奪い、抑圧をしていいのか?

 

 

④米英の中東支配

・第一次対戦時にユダヤ人のシオニズム運動を支持(バルフォア宣言)した英国。一方でユダヤ人の敵となるアラブ人の支援もしていた英国。米英の得意な二枚舌外交。

・サウジアラビアとは「サウド家のアラビアの国」という意味。米英が一領主だったサウド家を王家にし、メッカと石油を支配。石油の儲けを使って「税金なし」という形で国民を懐柔。米国の従属国。

・世俗主義のスンニ派フセインを大統領にし、イラクを世俗国家に。厳格なスンニ派のサウジとイラクがまとまらない状態を作る。

・イランでは世俗的なパーレビ国王を支持。しかし腐敗政治に国民が離反。1980年の革命でシーア派原理主義へ転換。米英に対立姿勢となり、想定外の事態に。

・シーア派原理主義を広げないようにイラン・イラク戦争で双方を疲弊させる。その後、イラクは湾岸戦争で叩き、イランは継続的に封じ込め政策を行い、米英に反発しないようにする。

・世俗主義のエジプトはイスラエルをユダヤ人が統治することを認める代わりに米国が全面支援を約束。米国支援の下、軍政によって市民を圧迫。しかし民主化革命(アラブの春)以降、イスラム色が濃くなり、今後は原理主義に傾いていくかもしれない。

 

米英の中東支配の構図は「原理主義VS世俗主義」「石油漬け」「軍政で抑圧」「隣国とは敵対」といった状況を作ること。歴史を見ればよくわかりますね。

 

 

このように中東を見てきた中で、今後注目していきたいポイントがいくつかあります。

・米国は自国内でのシェールオイルの採掘、多極化推進派の圧力、などにより、中東支配の手を緩めるかもしれない。中東が与える世界へのインパクトは大きい。EUのような共同体として、世界に対する影響力を行使する存在になるのか?

・イスラエルの動向。アラブ人の地域の中で孤立するユダヤ人。反米国の中で孤立する親米国(サウジの王政危機も注目)。米国内での親イスラエル勢力の弱体化という話も聞こえてくるので、米国の支援が弱くなる可能性もある。イスラエルはどうなっていくのか?

・日本への影響は?。日本は石油の殆どを中東から輸入している。中東での反米が更に強まれば、米国の従属国(奴隷国かな)である日本は、今までのように石油を入手できなくなる可能性がある。中東問題は我々の生活に大きな影響を与える。

 

以上が私のまとめです。以下、パコさんのコメントも参考になるので記載します。

(1)中東が複雑なのは事実だけれど、複雑にしているのは、地域の人たちのほうではなく、米英が各国を支援したり叩いたりして、まとまりにくくしているため。アングロサクソン流の覇権維持の方法を知るには格好の材料。

(2)各国に微妙な違いを出し、隣国と仲良くさせないため、宗教や民族の違いが利用される。同じスンニ派でも信仰に厳格な国と、世俗的な国をつくり、仲良くさせない。

ということが見えると、宗教対立は、「宗教があるから対立する」のではなく、「宗教を利用して対立させられている」という理解で見ることが重要。

あれれ、日本も同じような。国境のちっこい島をめぐる問題が隣国と1個ずつあり、しょっちゅう対立したり、ちょっと仲良くなったりしている・・・?? 日本の場合は、宗教ではなく、領土問題を、「隣国と仲良くさせない」ために使われて言うのだ~ということが客観的に見えてきますね。

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