15th 12月2012

OTOSHA37「非宗教の中東史」day3受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA37「非宗教の中東史」day3の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

11月は「宗教なしの中東史」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社セルム様のご厚意により、教室をお借りして実施しました。

Day3では、中東紛争の本質について確認しつつ、11月に起きたガザ地区での紛争について議論しました。

Day3のポイントは、次の3点です。
■英米のイスラエル政策の背景には中東利権確保がある
■ハマスが非合法テロ組織とのイメージは英米報道の影響による所が大きい
■ガザ地区紛争に対する米国仲介には米国の微妙な立ち位置が表れている

以下、具体的に書きます。

■英米のイスラエル政策の背景には中東利権確保がある

中東地域は、英米にとって、石油資源の供給源として、利権確保が重要なテーマとなってきました。Day1,Day2で学んだとおり、英米外交の基本は、対象地域に対立を起こさせて、対象地域そのものの弱体化を図るというものです。対立構造には、宗教や民族等を理由として取り上げて煽ってきました。

そうした中、イスラエルは、英米にとって、中東地域の真ん中に打ち込んだ楔です。ここを震源地として中東地域に対立を起こさせるため、イスラエルを支援してきました。

こうした外交戦略を実質的に司っている親元は、国の中枢にいるエリートであり、英国で言えば爵位を持つような紳士たち、米国で言えばシンクタンクとそれを活用する人々です。その走狗として、英国で言えばMI6、米国で言えばCIAがあります。

彼らの思想的背景には、恐らく、キリスト教があり、自分たちこそが神の下僕となります。たとえば、中東であれば、能力のある自分たちが有効な地球資源である石油を開発しているのであり、中東の人々には、一定の分け前を与えてあげているからいいでしょ、と言った感覚があると思われます。

しかしながら、最近、中東の原油に代わるものとして、シェールガスの発掘が技術開発によって低コストで可能になってきています。シェールガスは米国にも多く埋蔵されています。そうした中、英米が中東地域にどう接していくのか、注目されるところです。

■ハマスが非合法テロ組織とのイメージは英米報道の影響による所が大きい

日本の主要メディアでは、ハマスは非合法な過激派というイメージでの報道が多くなっています。

たしかに、ハマスは、軍事部門をその組織内に持っています。

しかし、実は、パレスチナ自治政府会議の過半数議席はハマスが握っています。これは、地道な民生活動をパレスチナ市民が支持した結果です。

これに対して、穏健派と報道されているファタハは、パレスチナ自治政府会議内では少数議席を占めているにすぎません。しかし、ファタハは米英の支援を受けており、少数派だけでハマスを排除して内閣をつくっています。ファタハの指導者であるアッパースは、自治会議の「議長」と呼ばれることが多いのですが、実質は、その少数内閣を統率する大統領です。そして、みずからの会議における正当性を主張できないため、非常事態宣言を発動して、パレスチナにおけるヨルダン西岸地域を実効支配しています。これがファタハの実態です。

こうしたファタハに対して、ハマスは、ガザ地区について、民主的手続きを経て選ばれた政党として支配しています。

こうして、パレスチナは、ヨルダン西岸地区とガザ地区とが、ファタハとハマスによって分割されて統治されるという形態をとっています。

パレスチナの歴史を振り返れば、実態は上記のとおりであり、ハマスを非合法テロ組織と決めつけるのは、英米報道に毒された見方という言うことができます。

■ガザ地区紛争に対する米国仲介には米国の微妙な立ち位置が表れている

11月初旬に起きたガザ地区におけるイスラエルとハマスとの紛争は、イスラエルがガザ地区に戦車部隊を進める寸前で、エジプトの仲介によって、終結しました。このエジプトに対して、オバマ米大統領は「ありがとう」と伝えたと報道されています。

このオバマ発言の裏には、各国に対する様々なメッセージが看て取れます。ハマスは、戦闘停止により、戦車部隊の突入を免れました。イスラエルも、長期戦は苦手なので、このタイミングでの停戦は有難かったと思われます。エジプトは、「中東の盟主」との立ち振る舞いについて米国からお墨付きをもらった格好になりました。

このように、米国は、様々な関係国に「恩を売った」形になっています。

ただ、一昔前の米国であれば、一方的にイスラエルを支持するスタンスをとっていたかもしれません。自国でシェールガス採掘が見込まれることもあり、中東から手を引き、イスラエルに一方的にベットするスタイルから変更しようとしているのか、今後の米国の動向が注目されるところです。

(by JIN)

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