19th 12月2012

OTOSHA38「EU 欧州連合の今」day3受講記録

by tenpei

おとなの社会科、営業担当の天平です。以下、day3の内容を私の視点でまとめていきます。今回のポイントは3つ。①財政統合していない問題②ユーロ危機の実態③欧州の統合加速です。

 

①財政統合していない問題

EUでは経済が統合され、ユーロが共有の通貨として使われています。しかし、各国の財政はまだ統合されていません。ここにどんな問題があるのか、解説していきます。

通常、1つの国には1つの通貨があります。その国の信頼が低下すれば、国債の暴落、通貨の暴落が起こりえます。しかし、EUでは複数の国が1つの通貨を使っています。その為、財政がしっかりしていない国の信頼の低下、国債の暴落により、ユーロに影響が波及する可能性があります。これは大きな問題なので、財政を統合し、ユーロの安定化を図る必要があります。

 

②ユーロ危機の実態

2009年からギリシャ危機とユーロ危機が騒がれていましたが、これは何だったのでしょうか。解説していきます。

ギリシャ危機とは、政権が変わった際に、旧政権が巨額の財政赤字を隠していたことが判明したことが発端です。ユーロに加盟するには赤字幅やインフレ幅に条件があります。これはユーロの信頼を保つためです。旧政権時の審査では条件をクリアし、ユーロに加盟できたのですが、新政権になって財政赤字が判明し、条件がクリアできていない事がわかったのです。これにより、ギリシャの国債の信頼、そしてユーロの信頼まで揺らぐ事件となったのです。

ギリシャだけの財政赤字であれば、ユーロの規模としては大した額ではありません。しかし、「他の国も隠しているのではないか?」という声が上がり、一気にユーロ危機の話が大きくなりました。

このタイミングで一斉に「ユーロは危ない」という報道が日本では行われましたが、本当に危ないのでしょうか?ここは冷静に状況を掴む必要があります。

ユーロは財政が安定した国、不安定の国があり、全体としては破綻する程の状況ではありません。また、今回の危機を利用して、ギリシャのような財政の悪化している国に注文を出す機能を強化しています。つまり財政統合に向けた追い風としているのです。ユーロは危ないどころか、さらに強固な地盤を作るべく進んでいるのです。

また「誰がユーロ危機だと言っているのか?」に注目する必要があります。ユーロ危機だと言っているのは米英の金融界(ウォール街、シティ)です。特に英国はユーロが強くなると、相対的にポンドが弱くなるので「ユーロは危ない」と言ってユーロを弱体化したいのです。日本には米英の金融界からの情報が兜町に降りてきて、日経を中心とするメディアから「ユーロ危機」という情報が踊るようになります。日本の経済界は米英の金融界からの情報に偏重しているので、注意していく必要があります。

 

③欧州の統合加速

財政が統合されると、EUに加盟する事で財政・外交・軍事、といった事がEUの規模で行われます。これが何を意味するか。大国(例えば米国)と戦うだけの膨大な外交力や軍事力を1国で保持する必要がなくなります。また、財政面でも米英の金融界からの影響力を軽減できます。すると、小国の加盟、小地域(スコットランド、カタルーニャ地方など)の独立と加盟が加速され、統合に勢いがつきます。これからは国の存在が薄くなり、地域(州)が独立してEUに加盟することが大きな流れとなるでしょう。

米英の金融界からの影響の軽減も、大幅に進む可能性があります。トービン税(通貨取引に小さな割合の税をかける)を導入すると、EUへの長期投資には影響なく、超短期の投機マネーに大きな影響を与え、マネーゲームの対象から外させます。これにより、マネーゲームに振り回されることを避けることができます。なお、これは40年前に構想されたものですが、投機マネーで成り立っている米英の金融界から猛反発を受け、これまでは実現できていませんでした。しかし、金融危機という大義名分があること、そしてシティの力が衰えている今こそ、実現のチャンスなのです。

本物の国際政治とは、このような状況を把握した上で、時間は掛かっても、したたかに国の未来を切り開いていくものです。まだまだこれからも紆余曲折ある筈ですが、着実にEUは新しい豊かな世界を創造していくでしょう。一方、実体経済の殆どない英国は、凋落の運命か?それとも??

 

以上、今回はEUから様々なことを学びました。日本の現状を見ると「もう無理だ。何も変わらないよ」と思いたくもなりますが、諦めずに、したたかに、未来を創っていこうという思います。脱原発、脱官僚、脱米国、東アジア共同体の実現等、数十年~百年という時間が掛かっても、実現していきたいと思いました。

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