24th 12月2012

OTOSHA38「EUの今」day2受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA38「EUの今」day2の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

12月は「EUの今」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社プロジェクトプロデュース様のご厚意により、教室をお借りして実施しました。

Day2では、EUが統合を保ってこれた理由について検討しました。結論としては、小国を含め、各国の自治・意見を尊重してきたことがその理由です。では、どうして、そうした各国尊重が可能であったのかについて、3つのポイントから整理しました。
■歴史からの教訓に学んだ
■EUの理念にビルトインした
■制度・組織の設計に工夫を凝らした

以下、具体的に書きます。

■歴史からの教訓に学んだ

第二次大戦後、欧州諸国の中で、ドイツは敗れたとは言え、大国でした。したがって、欧州の小国を押さえ付けて支配する形態もあり得る所でした。しかし、ドイツは、大戦中、他の諸国に侵略して恨みを買っていました。そのため、無理矢理、他国を抑圧した場合には反感を勝って攻め込まれる恐怖がありました。

他方、もう1つの大国フランスも、第一次大戦後の戦後処理の失敗の経験から、ドイツを痛めつけても逆効果である事を学んでいました。それよりも、他の小国と連携して、ドイツを巻き込んだ上でまとまっていった方が得策と判断しました。

また、陸続きの欧州大陸では、ここ数百年間にわたって戦争・権力闘争が繰り返されてきました。そうした中で、小国も、したたかな国家戦略を身に付けて来ています。そうした国々をないがしろにして統合を図っても、統合体は有効に機能しないとの判断もありました。

こうした歴史の教訓から、EUにおいては、小国を含め、各国の自治・意見を尊重する方針に固まっていきました。

■EUの理念にビルトインした

もっとも、方針自体を胸に抱いたとしても、それが明確な形になっていなければ、実効性を持つものにはなりません。

EUでは、小国の自治・意見を尊重していく考え方をその理念の中に盛り込んでいます。具体的には、EU条約の目的条項の中に、マイノリティを含め、人権尊重を理念とする旨、謳われています。

この理念を元にして、トップダウンで、EUの様々な制度・組織設計や運営ルールが形づくられています。

■制度・組織の設計に工夫を凝らした

EUは、元々、米国経済圏に対抗する狙いから、欧州全体としてまとまった経済圏を形づくことを目的としています。そのため、EU全体を統一する法体系を持っています。基本的には、EU域内においては、自由な交易・人の流通が求められています。

しかし、各国には国内法が存在するため、一義的には、各国国内法ルールが優先されます。その国内法がEUのルールと異なる場合にのみ、EUは解決に臨みます。そして、その際に示される解決策は、必ずしも黒白を付けるという形よりも、他の条件と抱合せの形で示す等、柔軟な方法によるケースが多くなっています。こうしたケースの地道な積み重ねが、EUのルールを形づくっていっています。

小国を含めた各国の意見を反映させるルールは、EUの組織設計にも埋め込まれています。具体的には、EU運営にあたっての権限を複数の組織に分散させ、各組織に各国が参加する事より、多様な意見が反映させる仕組みとしています。たとえば、意思決定機関にしても、欧州議会、欧州理事会、理事会、欧州委員会があり、それぞれの機関に権限が細かく分散されています。

こうして、制度・組織の設計にも工夫を凝らすことで、各国意見の尊重が担保されています。

(by JIN)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>