13th 6月2013

OTOSHA43「10億人教育構想」day1受講記録

by tenpei

おとなの社会科、スタッフのtenpeiです。day1では「edx」と「日本の高等教育」について考えました。

■edxは何なのか?

ハーバードとMITが提供するオンライン学習プロジェクト「edx」は10億人に無料で両校のコースを受講させようという壮大なプロジェクトです。インターネットが通じれば、世界中どこにいても世界最高水準の授業を受けられる夢のような話。地理的な問題、金銭的な問題で教育を受けられなかった多くの人が学べる、素晴らしい機会のように見えます。しかし、こんな都合の良い話って、なんか変な気もします。このプロジェクトの真の狙い、問題点を考察していきます。

まず、米国中枢で政策を立案しているKさんからの情報です。「あれは貧困ビジネスだよ。まだ見ぬ僻地の優秀な人材を発掘し、例えば米国人に頼んだら2,000万の仕事を500万でやらせる」。つまり、新興国からの労働力の搾取、先進国の雇用を失わせる、という一部の人がもっと富むための仕組みな訳ですね。

とはいっても、年収数十万の国で、年収500万の仕事を現地にいながらネットを通してできるようになれば、貧困から脱出できて良いのでは?と考える人もいるでしょう。ここで重要なのは、金銭と幸福は直結しないことにあります。農耕中心の低所得地域に、1人だけ世界トップクラスの知能と仕事をする高所得者がいた場合、その地域の生活世界が歪まないか?ということを考える必要があります。所得の大きすぎる差は社会的な不安定を生み易いことは、考慮しておく必要があるでしょう。

また、教育の「多様性」という意味でも問題がありそうです。10億人もの人に同じ教育を施すということは、教育の多様性を大きく損なわせる危険があります。大学は、各国、各大学が特徴を持ち、多様な価値観や思考のもとに研究や学習の場が形成されています。この多様性が低下することは、人類にとって大きな問題でしょう。

最後に、対人関係構築力の低下、という問題もあります。大学ではキャンパス内で直接、人と人とが関わり合い、対人関係構築力を高めていきます。オンラインで学習するとなると、その機会が失われてしまいます。一部の人がオンラインで学べることは良いと思いますが、これがスタンダードになることには危険性を感じます。

このように、パッと見は夢のようなプロジェクトに見えて、色々な問題を内包しています。ただ、このプロジェクトが進んでいくことは、止められないと思います。教育の機会平等という点においてはとても良いことなので、うまく生かしつつ、問題の芽を摘んでいく努力が必要になるでしょう。

 

■日本の高等教育は世界で戦う上で、まったくダメなのか?

よく、日本の高等教育は全然ダメだ。話にならない。もっと米国のような教育に変えるべきだ!という話を耳にします。これって本当なのでしょうか?

日本の高等教育は30~40年前から殆ど変っていません。しかし、以前の日本は「エコノミックアニマル」と揶揄されたように、世界中で色々なものを買いあさり、売りまくっていたのです。世界中で最も稼いだ国と言っても過言ではないでしょう。この事実を直視すると「教育のせいで日本人が内向きになり、世界で戦えない」という言説は説得力がないと思います。

とは言っても、日本の教育を変える必要がないという事ではありません。「発信力・思考力」という点では、学習機会が著しく少なく、能力も劣っています。この点は変えていく必要があるでしょう。

「言語」という点では選択肢を広げることが重要です。人は言語に基づいて思考し、その言語に基づく思考が独自性を生みます。日本語の独自性は非常に高いものがあるので、それを活かしていく必要があるでしょう。とは言っても世界で戦う上で、英語が必要な場面も少なくありません。例えば、中学・高校ぐらいの段階から、自らの将来設計に合わせて学習する言語を自由に選べる、という仕組みになっていると良いと思います。ある人は日本語でそのまま学び続ける、ある人は英語で様々な教科を学んでいく、という形に。

 

以上、世界で進みつつある教育の大きな潮流と、日本の在り方を考える良い機会でした。ここでも、TV・新聞・雑誌等で流れている情報を鵜呑みにしない、多面的に捉えて判断する、という事が重要だということを再認識しました。day2も楽しみです♪

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