23rd 7月2012

OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day1~3受講記録

by tenpei

おとなの社会科、営業担当の天平です。一人の受講者として感じたことを書いていきます。

■Day1のポイントは「功利主義は社会問題の解決の原理原則にはならない」です。
功利主義(ベンサム流)の考え方は「最大多数の最大幸福」。 簡単に言うと、質ではなくて、量で判断する考え方。例えば 「橋の上に巨漢がいます。橋の下には小学生の列に 突っ込んでくる暴走車がいます。巨漢を橋から突き落せば 暴走車は巨漢に当たって止まり、小学生達は助かります」 という状況下で、最大多数の最大幸福(=小学生達が助かる) ためであれば、巨漢は突き落して殺して良い と功利主義では考えられます。

(さらに…)

21st 7月2012

OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day1受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA33「サンデルの政治哲学」Day1の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

7月は「サンデルの政治哲学」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社セルム様のご厚意により、会議室をお借りして実施しました。

おとなの社会科では、今年後半から、ロジカル・ファシリテーション力を高めるためのディスカッション形式を取り入れています。実際にファシリテーター役を設けて、pacoさんの指導を絡めながら実践力を鍛えています。

今月は、「サンデルの政治哲学」を素材にして、功利主義、リバタリアニズム、カント哲学の3つの哲学思想について切り込みました。

Day1では、若者の雇用問題をテーマにして、功利主義に関して検討しました。

Day1のポイントは、次の3点です。
■ファシリテーターには、「介入」が必要である
■一見合理的な功利主義にも、弱点がある
■問題解決には、各人の自説の展開よりも原理原則論の確認が有効である

以下、具体的に書きます。

(さらに…)

19th 7月2012

OTOSHA32「少子化対策」Day3受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA32「少子化対策」Day3の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

6月は「日本の隣国」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社プロジェクトプロデュース様のご厚意により、会議室をお借りして実施しました。

おとなの社会科では、今年は、偶数月について、ロジカル・ファシリテーション力を高めるためのディスカッション形式を取り入れています。今月は、実際にファシリテーター役を設けて、その人に対するpacoさんの指導も絡めながら実践力を鍛えています。

Day3では、少子化を抑制するための具体策について、ファシリテーター役を立てての実践形式です。

Day3のポイントは、次の3点です。
■枠組みの議論は、イシューをセットで提案してもらう
■自由意思・自由市場を前提にする
■問題解決は社会システムで考える

以下、具体的に書きます。

■枠組みの議論は、イシューをセットで提案してもらう

効率的なディスカッションを行うには、最初に、どのような枠組みで議論をするのか整理するのが有効です。

しかし、単に、「議論の枠組みについて考えられる方法を挙げてください」とお題を投げてしまうと、結局、パラパラと個別のイシューが挙げられてしまいがちです。たとえば、Day3のテーマであった少子化抑制策で言えば、「出産の支援が必要なのでは?」といったイシューに関する意見です。ファシリテーターがそうした意見に振り回されていると、結局、枠組みの議論になかなか入ることが出来ません。

こうした場合は、いくつかの議論の枠組みをセットで提案してもらうのが有効です。たとえば、「出産の支援が必要なのでは?」という意見が出てきた場合は、「他に支援が必要な時期はありませんか?」という投げかけをしてみます。そうすれば、「育児期」等についても考えが及ぶようになり、「時間軸」で議論の整理をしてみることが1つの枠組み作りの方法である事に気付きます。

このようにしていけば、「出産と育児」のように、セットで枠組みを提案すれば良いということがディスカッションのメンバーに共有されるようになり、有効に議論を進めていく事ができるようになります。

■自由意思・自由市場を前提にする

たとえば、少子化抑制策を議論する場合、「産めよ増やせよ」の方向に議論が行ってしまいがちです。しかし、それでは、産むことが強制されることになり、「個人の産む自由」が侵害されることになってしまいます。個人の自由や人権を前提にする限り、この議論は馴染みません。

また、たとえば、企業に対して、今以上に、子育てしている女性の採用に関して積極的になるよう法制度を整備するような策も考えられます。しかし、企業も私人であって労働市場においては採用の自由を有しています。したがって、過度な採用抑制は、自由市場を阻害してしまいます。

もちろん、共産主義や全体主義を前提とする議論も、あっても良いです。しかし、そこの議論に入っている場合は、それが前提となっていることを認識して議論しないと、議論の立ち位置が分かりにくくなります。また、共産主義や全体主義を前提にしない事が共有化されているのであれば、そこはしっかりと意識した上で議論する方が、ディスカッションの流れを整理することができます。

■問題解決は社会システムで考える

たとえば、少子化抑制策を議論する場合、「意識の問題」がイシューとして挙げられがちです。しかし、「意識の問題」は、「制度」を整備した場合の「結果」として捉えることが可能です。したがって、「意識」の問題は「制度」論とかぶります。また、「意識」をどのようにすれば制御するかは困難なため、制度に関わる議論をする場合は、「意識」はイシューにしない方が適切です。

また、少子化抑制策の場合、たとえば、家族の関わり方といった方向からのアプローチもあり得る所です。しかし、基本的に、家族のあり方がどうあるべきかは、個々の家族の自由です。そこに介入していくのは、適切な方法ではありません。

少子化対策のような社会問題に関わるディスカッションを行う場合は、意識とか家族の関わり方といった、個人に焦点を当てるではなく、社会システムをどのように構築するかに焦点を当てた方が、有効に議論が進みます。また、その議論の結果出て来るアウトプットも、有効なものになります。

(by JIN)

21st 6月2012

OTOSHA32「少子化対策」Day2受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA32「少子化対策」Day2の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

6月は「少子化対策」をテーマとして、3回、セミナーを行っています。同月は、株式会社プロジェクトプロデュース様のご厚意により、会議室をお借りして実施しています。

おとなの社会科では、今年は、偶数月について、ロジカル・ファシリテーション力を高めるためのディスカッション形式を取り入れています。今月は、実際にファシリテーター役を設けて、その人に対するpacoさんの指導も絡めながら実践力を鍛えています。

Day1では、ファシリテーション実践の肩慣らしをしたのですが、Day2では、いよいよ「少子化対策」そのものについて、切り込んでいきました。Day1と同じく、ファシリテーター役を立てての実践形式です。

Day2のポイントは、次の3点です。
■少子化対策の真の目的は明らかである
■真の目的以外で語られている目的は、見せかけの物に過ぎない
■見せかけの目的をうまく活用するのが、大人の発想法である

以下、具体的に書きます。

■少子化対策の真の目的は明らかである

世間では、少子化対策の目的は、色々と語られています。将来の労働力を確保するためだとか、GDP減少を食い止めるためだとか。

しかし、少子化対策の真の目的は、実は明らかです。それは、子供を産みたい人が安心して産める社会をつくることです。このことを突き詰めて考えていくと、実は、安心して産める自由を実現する結果として少子化対策になるという関係になります。

なぜ、産む自由が少子化対策の真の目的かと言えば、産む自由は憲法で保障された幸福追求権そのものだからです。そして、憲法はかけがいのない価値である人権を保障する法体系であるからに他なりません。

それ以外の、先に挙げた、労働力確保とかGDP維持とかは、少子化対策の目的たり得ません。なぜなら、それらを目的に据えてしまうと、産む自由を阻害する事に繋がってしまうからです。たとえば、労働力確保を目的にしてまえば、産みたくない人にも産むことを強制する事になってしまいます。

■真の目的以外で語られている目的は、見せかけの物に過ぎない

ところが、世間一般では、労働力確保やGDP維持が少子化の目的だとする見解が大手を振るって罷り通っています。それは、なぜなのでしょうか。

まず考えられるのは、「あまり考えていない」という場合です。日本の大手マスメディアのレベルの低さを考えると、実は、大手マスメディアは、そのレベルに留まっているのかも知れません。

次に考えられるのは、それらを目的とした方が得をするために、そのように主張している場合です。たとえば、国内で多くの労働力を調達したいと考える企業には、労働力確保を主張するインセンティブが働きます。

更に一歩踏み込んで考える人は、少子化の真の目的は心に秘めた上で、見せかけの目的として、これらの目的を主張します。結果として少子化防止による産む自由確保ができるのであれば、表向きは、それ以外の少子化の目的に賛同して貰うという事でも構わない、というスタンスです。

■見せかけの目的をうまく活用するのが、大人の発想法である

少子化問題の他にも、その目的の本質をたどっていくと、自由や人権等に辿り着くということがよくあります。しかしながら、そうした事の本質は、一般に理解してもらうのが難しいですし、ややもすれば教条的に響きがちです。

そのため、社会活動を円滑に進める人の中には、これらの「見せかけの目的」をうまく持ち出しながら、実質的に、狙いを実現するという行動パターンを取るケースがあります。その場合、本来の目的を見失わずに活動する事が肝要なのですが、まさに、大人の発想法と言えます。

少子化問題を題材にして得られたこの発想法は、応用範囲が広いものです。

(by JIN)

20th 6月2012

OTOSHA32「少子化対策」Day1受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA32「少子化対策」Day1の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

6月は「少子化対策」をテーマとして、3回、セミナーを行います。同月は、株式会社プロジェクトプロデュース様のご厚意により、会議室をお借りして実施します。

おとなの社会科では、今年は、偶数月について、ロジカル・ファシリテーション力を高めるためのディスカッション形式を取り入れています。今月は、実際にファシリテーター役を設けて、その人に対するpacoさんの指導も絡めながら実践力を鍛えていきます。

Day1では、NHK教育番組「しゃべり場」を観て肩慣らしをしてから、「少子化の原因は何か?」をイシューとして、ファシリテーションの実践演習を行いました。pacoさんのこれまで蓄積されてきたノウハウのすべてがフル・オープンされました。演習なので、来て実際に体験して頂くのが一番なのですが、私が感じ取ったエッセンスだけをご参考までに、書いていきます。

Day1のポイントは、次の3点です。
■ファシリテーターの役割は、議論の中身を深めることである
■微妙なニュアンスの違いを大切にした方が良い
■ズレている発言は軌道修正する事が必要である

以下、具体的に書きます。

■ファシリテーターの役割は、議論の中身を深めることである

ディスカッションの場でファシリテーターを置く場合でも、完全に中立な立場である事は少ないです。多くの場合は、自ら議論に参加しながら、ファシリテーションをも同時に行うことになります。その場合であっても、実際に行われている議論から一歩身を引いて、議論を客観的に眺めて、議論を深めていく事がファシリテーターとしての役割になります。

たとえば、発言者の主張をより補強していくように働き掛ける場合には、その主張に関連する、発言者の体験を聞いてみます。または、出席者に対して、その主張に関連するような具体例を挙げてもらう方法もあります。

逆に、発言者の反対意見を深めたい場合は、主張に含まれている言葉の定義を具体的に聞いていきます。たとえば、「●●した方が他人に好かれる」という主張があった場合、「他人」とは誰ですか?と聞いてみます。または、「表面的には●●した方が好かれると思っているようだけど、本当は▲▲の方が好かれるのではないか?」といったように、少し異なるケースを対案として出していきます。

このように、発言者の主張に寄り添って、その中身を詰めていくと、議論の中身が深まっていきます。

■微妙なニュアンスの違いを大切にした方が良い

よく、何人目かの発言者が、「前の●●さんの発言と同じなのですが、▲▲と思います」という発言を行うことがあります。

こうした発言が出た場合、「●●さんと同じ発言だから」ということで、スルーしてしまうことが良く起こります。

しかし、この場合の「▲▲」は、実は●●さんの発言と微妙にニュアンスが異なるケースがママあります。そして、その微妙な違いの中に、議論の本質的な鍵が隠されていることがあります。そこに気付けば、そのときのディスカッション・メンバーならではの非常に個性のある議論に深めていく事ができます。

したがって、「▲▲」の中身はよく確認して、そのニュアンスは大切にした方が良いです。

■ズレている発言は軌道修正する事が必要である

ディスカッションは、自由に発言できる空気が大切です。

しかし、表面的な「自由さ」にとらわれ過ぎて、行くがままに議論を放置していくと、議論の収拾がつかなくなります。場合によっては、逆に自由な議論の場が損なわれる事もあります。それは、たとえば、自己矛盾をきたしている発言を放置してしまったり、あまりにもたやすい反論が可能な主張が出て来てしまったりしたケースです。

そうした場合は、ファシリテーターは、議論を一旦遮ってしまっても、主張の不合理性を指摘していかなければなりません。

(by JIN)

05th 6月2012

OTOSHA31「日本の隣国」Day3受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA31「日本の隣国」Day3の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

5月は「日本の隣国」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、株式会社フジクラ様のご厚意により、会議室をお借りして実施します。

5月は「日本の隣国」である「米国、中国、ロシア」の3国について論じました。

Day3では、ロシアを取り上げると共に、今月、「日本の隣国」を取り扱ってきた締めくくりとして、「日本の隣国との付き合い方」をディスカッションしました。

Day3のポイントは、次の3点です。
■ロシアは、現在は、低調な状況にある
■日本は、明治以降、第二次大戦までは列強であった
■今、日本には、新たな外交戦略が求められている

以下、具体的に書きます。

■ロシアは、現在は、低調な状況にある

北の大陸国であり、元々、産業国家ではないロシアは、不凍港を求めて、南に勢力を広げる意思を昔から強く持ってきました。そのようなロシアの国家意思は、19世紀から20世紀にかけて、英国の覇権主義と衝突し、Great Warと呼ばれる覇権争いを繰り広げて来ました。その火薬庫となったのが、アフガニスタン地域および旧満州地域でした。

また、大統領に再度就任したプーチンがロシアの国力の源泉と考えているのが、天然ガスを中心としたエネルギー資源です。ロシアは、旧ソ連邦諸国に対して、ガスパイプラインを圧力に用いて外交を展開してきました。

ところが、最近、技術的に採掘が困難とされてきたシェールガスが比較的容易に採取できるようになり、その豊富な埋蔵量が確認され始めました。その影響によって、ロシアに豊富に存在している天然ガスは、その価格が抑えられるようになってきました。

その結果、数年前には大変な財力を誇った、ロシアのエネルギー利権で儲けた新興財閥と言われた人達も、急速に勢いを失いました。そのことに象徴されるように、ロシア経済も、また、現在では、停滞を余儀なくされています。

■日本は、明治以降、第二次大戦までは列強であった

日本は、江戸時代、鎖国社会ではあったものの、寺子屋制度等によって高い文化レベルを保っていました。そのため、明治開国は列強の仲間入りに遅れて参加した状況ではあったものの、かなりうまく立ち回っていました。

日本が占領していた旧満州地域は、前項で触れたGreat Warにおける英露衝突の最前線でした。そのため、英国は、自らの利権を守るため、日本をロシアに対する盾として利用しました。ただ、日本の側も、英国からの援助を日英同盟やシティでの戦争債発行等によって引き出し、日露戦争に勝利するという果実を得ることに成功しています。

時代を少し遡って明治初期の状況をみても、英仏をバックにした薩長・幕府の衝突が決定的なものになる寸前に回避しており、内乱に乗じて列強の欲しいままにする状況を許しませんでした。

このように、第二次大戦までは、外交戦略を中々うまく駆使していたと言えます。

■今、日本には、新たな外交戦略が求められている

第二次大戦後、日本は、米国の軍事力の傘の下で経済発展をする道を選択しました。世界最強の米軍に軍事をアウトソースする事で、日本は、世界第2位のGDP国家となりました。

しかし、米国は、ベトナム・イラク・アフガニスタンの各戦争で敗北を喫しました。また、アラブの春によって、親米であった独裁者も、次々と民主化の波の下に倒れています。経済的には、BRICs等の新興国の世界経済に占める存在感が拡大しており、米国の一国覇権は衰えてつつあります。世界は、多極化へと向かっています。

こうした世界情勢の中で、日本は、衰えつつある隣人である米国とだけ親密な付き合いをしていれば安泰なのか、選択を迫られています。隣国である、今やGDP世界第2位となった中国との戦略的パートナーシップを模索すべき時期に来ているのではないか、等、今、日本には、新たな外交戦略が求められています。

・・・という月並みな議論以上に、おとなの社会科のセミナーの中では、より掘り下げたディスカッションを展開しています^^

(by JIN)

29th 5月2012

OTOSHA31「日本の隣国」Day2受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA31「日本の隣国」Day2の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

5月は「日本の隣国」をテーマとして、2回、セミナーを行います。同月は、株式会社フジクラ様のご厚意により、会議室をお借りして実施します。

5月は「日本の隣国」である「米国、中国、ロシア」の3国について論じます。

Day2では、中国を取り上げました。

Day2のポイントは、次の3点です。
■「権力の正統性」は、国家の性格を定める重要な要素である
■外交は内政とつながっている
■軍事は外交の一局面である

以下、具体的に書きます。

■「権力の正統性」は、国家の性格を定める重要な要素である

中国は、歴史的にみて、中原(黄河中下流域)を北方民族や西方民族が互い違いに奪い合って王朝を築いてきました。そして、今の中国政府は、北方民族であった清を傀儡政権ととして中国に侵略していた日本に対して、共産主義を掲げて戦うことで出来上がった国家です。

したがって、反日と共産主義が、現在の中国の権力の正統性になっています。共産主義の党員は選挙で選出される訳ではないので、国民からの投票という正統性の根拠を持っていません。ここから、民主主義国家とは異なる行動原理が出て来ます。

なお、注意しなくてはいけないのは、反日というのは、あくまで中国政府の基本的な考え方のベースにそうした思想があるということであって、中国人ひとりひとりの考えとは異なるという点です。

■外交は内政とつながっている

どの国も、外交政策は、内政政策とつながっています。なぜなら、みずからの権力の基盤は国内に存在している以上、内政と切り離した外交はあり得ないからです。

この点、中国も同様であり、内政上抱えている重大な問題を解決するために、外交を展開しています。中国は、近年、経済発展が著しく、エネルギー需要が急速に高まっています。そのため、外交上も、エネルギー獲得が、1つの重要なイシューになっています。中国の外交政策を見る場合に、「エネルギー重視」というのが、1つのキーポイントになります。

■軍事は外交の一局面である

クラウゼヴィッツは、「戦争論」の中で、「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」と述べており、軍事は外交の一局面である事を端的に示しています。

近年、東シナ海等で、中国による軍事的活動が活発になってきています。そのことを以って、単に、他の諸国との軍事力比較等のみによって、中国の軍事的脅威を云々する言説もまま見られます。しかし、そうした言説は、軍事は、基本的に、外交(政治)の延長にしか語りえない事を見落とした見解です。

ある国家行動に対する言説をウォッチするときは、それが、どれだけ多角的な視点に基づいてなされているか、というのが、その信憑性を図るバロメーターになります。特に、軍事面に関する言説は、とかくセンセーショナルになりがちなので、そうした多角的な分析に基づいているか否かを注意深くチェックしておくことが肝要です。

(by JIN)

21st 5月2012

OTOSHA31「日本の隣国」Day1の受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA31「日本の隣国」Day1の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

5月は「日本の隣国」をテーマとして、2回、セミナーを行います。同月は、株式会社フジクラ様のご厚意により、会議室をお借りして実施します。

5月は「日本の隣国」である「米国、中国、ロシア」の3国について論じます。

Day1では、米国を取り上げました。

Day1のポイントは、次の3点です。
■米国人の本質はルーツを探ると見えて来る
■共和党と民主党の違いを知ると米国が良く分かる
■米国の民主主義に大きな変化が起きている

以下、具体的に書きます。

■米国人の本質はルーツを探ると見えて来る

現在の米国は、英国からの移民からスタートしており、彼らの思想が米国の価値観の基礎になっています。移民は、イギリス国教会に異を唱える原理的なプロテスタントであるピューリタンたちでした。彼らは、みずから信じる純粋な宗教を元に生活できる場として、新天地である米国を目指したのでした。

ピューリタン達は、母国である英国に対して、新天地での自らの独立を守るために戦い、米国を建国します。

その後、米国内では、深刻な宗教的な対立を元にする戦争等は起こって来ませんでした。そのため、ピューリタンの理想に基づく自由主義・民主主義の国づくりが正しいとの価値観は、強く米国に根付いています。「世界の警察官」として、民主主義を他国に押し付けがちな米国の価値観は、こうした所から出て来ています。

この点、歴史的に多くの宗教戦争を戦って来た欧州諸国は、宗教に対して、もう少し冷めた目を持っています。他国に対して民主主義を求めるにしても、交渉カードの1つとして用いるような手法をとります。

■共和党と民主党の違いを知ると米国が良く分かる

米国は、共和党と民主党の2大政党によって政治が運営されています。いずれも、自由主義・民主主義を前提としていますが、立場は異なっています。その違いが、様々な政策の違いを生んでいます。したがって、両者の立場の基本的な違いを理解しておくと、米国の政治がよく見えて来ます。そして、その違いは、実は、政治だけでなく、人々の文化的な違いにまで及んでいます。

共和党は、建国から西部開拓を目指していったスピリットが元になっています。現在では、米国の南部を中心とする勢力であり、政府からの干渉をなるべく排除する事を望む傾向にあります。

これに対して、民主党は、国家に対して、自由主義・民主主義の実現を求めていく立場です。

・・・とは言うものの、南北戦争で奴隷解放を求めて戦ったリンカーンは、実は共和党です。なので、JINはしっかりと理解していません^^ 腑に落ちない人は、おとしゃに来て学びましょう!^^

■米国の民主主義に大きな変化が起きている

共和党にしても民主党にしても、自由と民主主義を絶対的価値とする点では共通しています。しかし、米国の世界における覇権が揺らぎ始め、国内での失業率が高まり、貧富の差がかつてなく激しくなる中で、民主主義の在り方そのものにも、疑義が呈されるようになってきています。

そうしたムーブメントの1つが、ティー・バーティーです。その他に、Occupy Wall Streetといった運動があります。

今後は、こうした動きに注目です。今年は大統領選挙です。頭の良いオバマ大統領が、これらの新しいムーブメントとどのように付き合っていくのかは見ものです。

(by JIN)

24th 3月2012

OTOSHA29「メディアリテラシー」Day3の受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA29「メディアリテラシー」Day3の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

3月は「メディアリテラシー」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、デジタルハリウッド大学様のご厚意により、教室をお借りして実施しました。

メディアリテラシーは、「おとなの社会科」で取り上げるのは3回目です。「考える力」を身に付けるための中核となるスキルだからです。今回は、具体的な報道に焦点を当てて、その問題点を指摘していくスタイルを取ります。

Day3のポイントは、次の3点です。
■主要メディアの論説のほとんどはメッセージを持っていない
■説得力ある論者の考え方には共通性がある
■好みの論者の文章も批判的に読むことが必要

以下、具体的に書きます。

■主要メディアの論説のほとんどはメッセージを持っていない

主要メディアの論説のほとんどは、メッセージを持っていません。

メッセージ性の有無は、表題や冒頭に書かれているイシューに対して、冒頭または末尾に結論(メッセージ)が書かれているか否かで判断できます。この観点で主要新聞(読売、朝日、毎日、日経、産経等)の社説や論説をチェックすると、メッセージを持っていない文章がほとんどであることに気付きます。

考えてみれば、普段のビジネスシーンで新聞記事が話題になるとき、「新聞記事にあの件が掲載されていた」ということが取り上げられることはあっても、「あの記事の主張について○○と思う」という展開になることは皆無です。それは、新聞記事のほとんどにメッセージ性がないからにほかなりません。

論説文等の文章は、メッセージが命です。メッセージを欠く文章は、批評の俎上自体に載せることができず、文章としての価値を持っていません。そうした文章を一生懸命に「理解」しようと努めるのは時間の無駄です。最初からロジックに無理がある場合がほとんどであることを念頭に置きながら、必要に応じて読み進めていくのが効率的です。

■説得力ある論者の考え方には共通性がある

主要メディアの論説にまったく頼れないことを前提にすると、私たちが頼るべきメディアが何なのかが問題になってきます。

「おとなの社会科」では、渡辺パコさんが長年にわたってウォッチして来た、説得力ある論者の論説が折に触れて紹介されています。具体的には、宮台真司、冷泉彰彦、田中宇、等々の各氏です。各氏は、それぞれバックグラウンドは全く異なっているものの、それぞれ深いレベルまでロジックを掘り下げた論説を書いています。

そして、興味深いのは、たとえば、米国に対する彼らの見立てには共通点が多いことです。一口で米国といっても一枚岩ではないこと、建国の経緯や南北戦争が米国民の精神構造に大きな影響を与えていること、等々。これらの発想は大手メディアではほとんど語られることはありません。そうすると、「ほんとにそうなの?」と思ってもしまいがちなのですが、説得力ある彼らの考え方がほぼ共通であることから、安心感が芽生えます。

■好みの論者の文章も批判的に読むことが必要

説得力がある論者も、常に正しいことを主張しているとは限りません。したがって、好みの論者の文章も批判的に読むことが必要です。

批判的な読み方の方法としては、論者と反対の主張がありそうなイシューについて、ネット等で調べてみるというやり方があります。そのようにして反対の主張を踏まえながら、それでも納得できるかどうかを吟味していくと、結局は論者の主張に沿った考え方をするにしても、自分の考え方に説得力が増してきます。

(by JIN)

17th 3月2012

OTOSHA29「メディアリテラシー」Day2の受講記録

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA29「メディアリテラシー」Day2の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

3月は「メディアリテラシー」をテーマとして、3回、セミナーを行います。同月は、デジタルハリウッド大学様のご厚意により、教室をお借りして実施します。

メディアリテラシーは、「おとなの社会科」で取り上げるのは3回目です。「考える力」を身に付けるための中核となるスキルだからです。今回は、具体的な報道に焦点を当てて、その問題点を指摘していくスタイルを取ります。

Day2を受講して感じたのは、2点です。1つは、「おとなの社会科」を受講していると普通に思えることが世の中一般では斬新な事があり、「基礎」が必要ということです。もう1つは、メディアリテラシーは奥が深く、極めていく「応用」レベルでは、高いロジカルシンキング力が必要ということです。

実際にメディアリテラシーを高めるにはセミナー等で実践を積むことが効果的ですが、Day2のポイントは、次の通り、整理できます。
■基礎レベル1:大手メディアがいつも正しい訳ではない
■基礎レベル2:メディアはメッセージである
■応用レベル1:ビッグピクチャーから考える
■応用レベル2:抽象概念レベルで考える

以下、具体的に書きます。

■基礎レベル1:大手メディアがいつも正しい訳ではない

「おとなの社会科」を継続的に受講していると常識化してくるのですが、大手メディアはいつも正しい訳ではありません。

特に、日本の大手メディアは、その命としている論説記事(社説等)のレベルが低いです。なかでも、論説委員の意見を継ぎはぎして作成している日経新聞の社説のレベルの低さには目を覆いたくなります。

ところが、日経新聞購読を社会人としての教養と考え、その正しさを疑わないビジネスパースンは数多くいます。彼らにメディアリテラシーを理解してもらうには、まずは、日経新聞に対する疑いの目を向けてもらう所から始める必要があります。

「教養紙」とされる日経でさえ、その体たらくですから、テレビメディア等の娯楽番組を情報収集の中心としている人に対してメディアリテラシーを説くには、更にハードルが高くなります。

■基礎レベル2:メディアはメッセージである

ビジネスパースンの基本動作として、「事実」と「意見」を分けて報告しなければならない、ということがあります。そうした発想を踏まえて、メディアについても、「事実」と「意見」を分けて捉えようとする考え方もあり得ます。

しかし、メディアは、論理的に考えて、「事実」だけを伝えることはできません。というのも、すでにメディアで取り上げる記事を選択した段階で、そこに「意見」が入っているからです。また、メディアに記事として掲載されれば、内容が「事実」報道であったとしても、その「伝え方」によって「意見」が入らざるを得ません。

したがって、メディアは、それ自体「意見」から逃れられません。その事を端的に表しているのが、マクルーハンの言葉「メディアはメッセージである」です。

この点も、「おとなの社会科」を受講していれば自然に身に付いてくる感覚なのですが、メディアリテラシーに触れた経験のないビジネスパースンには必須の知識です。

■応用レベル1:ビッグピクチャーから考える

メディアを批判的に読む意識が芽生えて来ると、今度は、批判的読解のスキルが必要になってきます。そのスキルの1つが、「ビッグピクチャーから考える」です。

メディア報道によくあるのが、ファクトがいくつか並べらているのですが、全体として何を伝えたいのか良く分からない、というものです。そうした報道に接したときは、「ビッグピクチャーから考える」を意識します。

たとえば、震災復興報道によくあるのが、被災者がどうすれば幸福になれるのかを充分に汲み取らすに報道してしまうケースです。多くの場合、その点については深く掘り下げずに、政府等の復興計画そのもの等に焦点を当ててしまっています。こうした報道は、なんとなく腹落ちしないのですが、それが「ビッグピクチャー」を描いていないからかも知れない、という知識を持っておけば、役に立ちます。

■応用レベル2:抽象概念レベルで考える

また、メディアを批判的に読み込んでいくと、どうしても、細部のファクトの相違が目に付いてしまいます。たしかに、ファクトのレベルで誤っている言説も数多くあります。

しかし、メディアの中には、それなりのレベルの言説もあり、そこに書かれたファクトは、そのファクトを支持する人も多く存在するものであったりします。そうした場合に、ファクトそれ自体を批判しても説得力のある批判にはなりません。

そんなときに有効なのが、「抽象概念レベルで考える」です。まず、論説全体を貫く筆者の思考の軸を「抽象概念レベル」で捉えます。この抽象化された思考の軸そのものの矛盾を突きます。このようにすると、効果的な批判になります。のみならず、筆者の主張を抽象概念化することで、学べる部分は学べるようになります。さらには、自分の主張と本質的にどこが違うのか知ることができ、自分の思考の軸についても更に深く理解することにつながります。

(by JIN)

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