08th 10月2012

OTOSHA35「米国の貧困」day3受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA35「米国の貧困が日本にもやってくる」day3の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

9月は「米国の貧困」をテーマとして、3回、セミナーを行いました。同月は、デジタルハリウッド大学様のご厚意により、教室をお借りして実施しました。

Day3では、コーポラティズムの弊害について、議論を深めました。

Day3のポイントは、次の3点です。
■米国刑務所民営化による弊害の背景にはコーポラティズムがある
■従業員が利益追求のみに加担する点にコーポラティズムの行き過ぎが垣間見える
■サラリーマンが忌避する青臭い議論の中に、過剰なコーポラティズムの回避策がある

以下、具体的に書きます。

■米国刑務所民営化による弊害の背景にはコーポラティズムがある

米国では、「小さな国家」を推進していく一環として、刑務所にも民営化の動きが押し寄せました。

その結果、刑務所は、労働市場よりも圧倒的に安い賃金で生産物を産み出す効率的な工場へと変質を遂げました。元々、受刑者は、社会的に制裁を受けるべき立場にいるので、安い賃金しか支払われなくても、その事に対して社会的非難を受けにくい状況にあります。また、そもそも、刑務所の世界は、「塀の向こう側」の世界なので、塀の外の人々からの注意を引きにくい状況にあります。

しかし、受刑者への賃金が極端に低下すれば、受刑者は、塀の中での生活費すら賃金で賄えなくなります。そうなると、娑婆に出るときには借金を抱える状況に陥ってしまい、社会復帰は困難となり、また刑務所に逆戻りという悪循環を繰り返すことになってしまいます。これでは、本来、社会復帰を目的とすべき筈の刑務所が、その役割を果たさない事になってしまいます。

このような民営化の弊害が促進されてしまう背景には、コーポラティズムがあります。1990年前後に、アンチ資本主義の盟主であったソ連が崩壊して以降、企業に絶対的優位性を与えるコーポラティズムが蔓延しました。コーポラティズムは、国家を抑え、国境を越えて、投資家利益追求を最高の価値とするイデオロギーです。国が企業から巻き上げた税金の垂れ流し先である刑務所を効率化する事で企業利益が得られるなら、その価値は、犯罪者の社会復帰よりも優先されるのです。

■従業員が利益追求のみに加担する点にコーポラティズムの行き過ぎが垣間見える

日本の会社では、課長クラスの管理職が、企業の目的を聞かれて「利益追求」としか答えられない風景が蔓延しています。もしかすると、頭の片隅では別の発想が宿っているのかもしれませんが、「そう言わないとマズイ」という空気が、職場に蔓延しています。あるいは、そうした空気に接しているうちに、マインド自体が「利益追求オンリー」になってしまっているのかも知れません。

しかしながら、課長は、あくまで会社から賃金を支給される立場にあります。そして、賃金は、会社が産み出す付加価値の中から配分される金銭です。この付加価値の中から、株主へは配当が支給されます。したがって、賃金を受給する課長は、本来、配当を受給する株主とは利益相反する関係にあります。

一般に、課長が「利益追求」を言う場合の「利益」は、株主への配当を言います。したがって、日本の課長は、自らの首を絞める発言をしている事になります。こうした状況が等閑視されている点に、コーポラティズムの行き過ぎが垣間見えます。

■サラリーマンが忌避する青臭い議論の中に、過剰なコーポラティズムの回避策がある

今の日本の職場では、「利益」以外の事を口にすると、「大人気ない」「書生気質」「青臭い」と忌避される傾向があります。従業員からの生え抜きの役員でさえ、実力派であればある程、「CSR等は表向き」と言い放ち、「利益追求」にだけ発破をかけるケースがママあります。

しかし、実は、日本は、世界一、長寿企業が多い国です。そして、長寿企業の社訓には、ほぼ例外なく、「利益追求だけではうまく行かない」という事が書き込まれています。企業の理想が中長期的に利益を生み出すゴーイング・コンサーンにあるのだとすれば、長寿企業が掲げる、利益追求のみを良しとしない考え方こそ、実は、合理的と考える事ができます。

今の職場で、一介のビジネスパースンが、いきなり利益以外の話を持ち出すのは困難かも知れません。しかし、「週末何をしたか」等を話題にする所から、お互いに、利益追求だけで無い所を共有化する事を始める事が出来ます。そして、CSRの場等では、これを形だけのものとして捉えるのではなくて、企業の未来にとって、また、社会にとって、むしろ必須のものと、しっかり捉えるようにすることで、会社を変えていく事が出来ます(出来るかも知れません^^)。

(by JIN)

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