11th 11月2012

OTOSHA37「非宗教の中東史」day1受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA37「非宗教の中東史」day1の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

11月は「宗教なしの中東史」をテーマとして、3回、セミナーを行います。同月は、株式会社セルム様のご厚意により、教室をお借りして実施します。

Day1では、イシュー設定の練習後、中東紛争の本質について議論しました。

Day1のポイントは、次の3点です。
■イシューの設定には、「直感」も重要
■中東紛争の根源は「宗教」ではない
■欧米の植民地政策が中東紛争を生んだ

以下、具体的に書きます。

■イシューの設定には、「直感」も重要

Day1では、最初に、「中東」に関するイシュー出しをディスカッション形式で行いました。イシューの出すには、
①思い付くだけ沢山挙げる(拡散思考)
②①から筋の良いイシューを絞り込む(収束思考)
の2つのステップを踏みます。

この2つのステップのいずれにおいても、「直感」が、実は重要な役割を果たします。

①イシューを沢山挙げるに当たっては、いくつかイシュー候補が上がってきた段階で、マトリクス化してみて思考するのも良い方法です。たとえば、横軸に時間を取り、縦軸に地域を取って、挙がったイシューを当てはめてみます。そうすると、イシューの漏れに気付いたりして、さらに多くのイシューを挙げて行くのに役立ちます。

しかし、つくったマトリクスにこだわり過ぎてしまうと、光るイシューを見落としてしまう事になってしまいます。

そのため、マトリクスのような思考の道具は、あくまで「道具」として緩く使うのにとどめておいて、「直感」に基づいて出て来たイシューを大切にとっておく事が大切です。

次に、②筋の良いイシューを絞り込む段階では、マトリクスのような「道具」は、もはや役には立ちません。というのも、並べられたイシューを聞き、または読む人は、「きれいに整理されたイシュー」を見ても、無味乾燥に感じてしまうからです。辞書を「あ」から順番に機械的に読まされるような感じです。

なので、②の段階でも、「直感」が大切です。具体的には、直感的に、その言葉から全体を把握する事につながるように思えるイシューを拾います。また、直感的に、素朴に素直に感じた疑問をそのまま問いにしたようなイシューも、「筋が良い」事が多いです。

■中東紛争の根源は「宗教」ではない

「中東紛争の原因は宗教にある」と語られる事が多いです。いわく、「シーア派とスンニ派の対立」「原理主義と穏健派の対立」等々。

しかし、歴史を振り返ると、「宗教」は、中東における争いの原因ではありませんでした。というのも、イスラム世界は、様々な宗教に寛容な社会だったからです。そこでは、所定の税金を納めれば宗教を理由に排除したりはしない洗練された政治システムが成り立っていました。

第一次大戦前の中東地域においては、イスラム教・ユダヤ教・キリスト教が、平和に共存している例がありました。たとえば、イスラム教徒とユダヤ教徒との間での結婚も特に問題なく行われており、ユダヤの仮定に嫁いだイスラム教徒のお嫁さんに、ユダヤのしきたりを姑が教えるといった事も日常的に行われていました。

■欧米の植民地政策が中東紛争を生んだ

しかし、たとえば、今のイラクの政権を巡っては、スンニ派とシーア派の対立が1つの大きな軸となっています。また、ガザ地区を巡ってユダヤ人とパレスチナ人との市民レベルでの抜き差しならない憎しみ合いも、宗教に絡めて語られています。

実は、こうした「宗教」を軸にした対立は、第1次大戦でオスマン帝国を崩壊させて以降、英国を中心とする欧州が、中東の力を弱めるために意図的に作り出した対立構造です。中東における石油の利権を確保するには、中東の力を弱めておく必要がありました。そこで利用されたのが、「宗教」を持ち出して、中東に対立の構造を作り出すことです。

もう1つ大きな対立構造は、領土で機械的に線引きを行う「国家」をつくり上げることで作り出しました。元々の中東における民族による支配地域を意図的に無視して、直線的に国境線を引きました。そのことで、民族を2つの国家に分断し、あるいは、1つの国家内に複数民族を同居させる状況を作り出し、紛争の種を撒きました。

英国にとっては、中東地域に紛争の種を撒いておいて、同地域の支配者のパワーを削ぐ事が重要でした。そのために、宗教や民族など、対立の火種となり得るものは何でも利用しました。そうした英国の政策の結果が、現在の中東紛争の根源に結び付いています。

(by JIN)

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