28th 11月2012

OTOSHA37「宗教なしの中東史」day3受講記録

by tenpei

おとなの社会科、営業担当の天平です。

day3(2012.11.22)はセミナーが始まる前に、イスラム原理主義組織ハマスとイスラエルが停戦に合意したとの報道がありました。 本件は米国のオバマ大統領とエジプトのモルシー大統領が仲介をし、停戦合意後にオバマはモルシーに電話で感謝を表明したようです。 ここから何が見えてくるか。セミナーの中で考えてみました。

 

(1)報道の偏向

「イスラム原理主義組織ハマス」と聞くと、過激で自爆テロをする危険な集団だと思いますよね。でも、それはそう思わせようとしたい人達の意図によるものです。 実際、ハマスはパレスチナ自治区の政党であり、選挙で勝って政権を取っています。好き勝手に暴れているだけの組織ではなく、選挙で国民に選ばれた政党です。

パレスチナ自治区はガザとヨルダン川西岸に分かれていますが、実はハマスはガザしか政権を握っていません。ヨルダン川西岸は前政権のファタハが選挙で負けたのに政権を手放さないのです。

なお、ハマスとファタハの政策の違いは、イスラエルの存在を認めるか否かです。長年パレスチナ人が住んでいた土地に割り込み、パレスチナ人を弾圧しているイスラエルを認めないのがハマスです。 国民はハマスの考えを支持し、ハマスは選挙で勝ったのですが、なぜそれを政党と呼ばずにイスラム原理主義組織を呼ぶのか。それはイスラエルを支持する米国の意図によるものでしょう。 我々の見ている大手メディアの情報は、このように偏向していることを理解する必要があります。

 

(2)イスラエル、エジプト、米国の関係

イスラエルのネタニヤフ首相は選挙直前で、国民の人気を取る&落とさない必要があります。その為には戦闘で劣勢に立たない、積極的な停戦で弱腰を見せることはしない、ことが重要。 しかし、予想外(今までは石投げ程度だったから)にパレスチナからのロケット弾が被弾し、危うい状況に。反撃はしたが、これ以上続けると国際社会からの批判も…。 そこに「エジプトと米国が仲介にやってきたから」という国民を納得させられる停戦の話が舞い込んだのだ。やった~停戦できるぞ!

なお、エジプトと米国には思惑がある。エジプトはイスラム世界の領主になりたい。米国はイスラエルと距離を置きたい。その為にも、ここはイスラエルに恩を売っておいて、今後イスラエルに対して交渉を優位に進められるようにしたいと考えている。 このように各国の戦略上の思惑によって、仲介が行われ、停戦に到ったと推測できる。ちなみにオバマが反米のモルシーに電話をするということは、中東の構図の変化を映し出している。中東だけでなく、本格的に世界は多極化の流れに向かっていきそうだ。 でも、そのとき日本はどうするの?イスラエルのように米国に見放される時はすぐそこかもしれない。すでにその動きはあるかもしれない。対米従属から新たな国際戦略を描く時期に来ている。

 

以上、今回の停戦報道も、どう読み解くかで世界の見え方は大きく変わります。直近の事例をみんなで考えた、とても新鮮な時間でした。

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