16th 12月2012

OTOSHA38「EUの今」day1受講記録(by JIN)

by JIN

おとなの社会科CS担当のJINです。
OTOSHA38「EUの今」day1の受講記録を書きます。

本稿では、受講者目線で、セミナーの受講記録を書きます。なお、一部JINの私見にわたる個所が含まれる点、ご容赦ください。

12月は「EUの今」をテーマとして、3回、セミナーを行います。同月は、株式会社プロジェクトプロデュース様のご厚意により、教室をお借りして実施します。

Day1では、EUの基本的なポリシーについて、議論を深めました。

Day1のポイントは、次の3点です。
■EU成立の直接的な動機には域内の安全保障がある
■広域経済ブロックの形成により域外への牽制を図っている
■域内の合意形成そのものがEUのビジョンとなっている

以下、具体的に書きます。

■EU成立の直接的な動機には域内の安全保障がある

ヨーロッパ諸国は、有史以来、血みどろの争いを繰り広げてきました。国境線が地続きであり、小国が乱立しているため、争いの度に国境線は書き変えられてきました。

しかし、第一次大戦に至り、大量破壊兵器の登場に及ぶことになり、戦争は莫大な数の国民を死に至らしめ、国家の存続そのものを破壊しうるイベントへとその性格を変貌させました。そして、戦後処理として、敗戦国ドイツに多額の賠償金を背負わせたのですが、このことがナチスの台頭を招いてしまいました。また、安全保障の仕組みとして国際連盟をつくってはみたものの、米国・ロシアの参加を欠き、途中からドイツ・日本が脱退するなど、有効な枠組みとして機能しませんでした。

そこで、第二次大戦後、欧州内で二度と戦争の惨禍を招かないよう、ドイツとフランスが歩み寄りを見せたのが、EUの発端です。戦争の準備には、当時の主力燃料であった石炭が必要でした。そのため、石炭を独仏で共同管理することで戦争回避を図ろうとしたのです。これが、1951年、独仏等欧州6カ国でつくられ、現在のEUの前身である「欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)」です。

■広域経済ブロックの形成により域外への牽制を図っている

第二次大戦中に戦地となった欧州は、国土が荒廃した状況にありました。2度の世界大戦前までは帝国主義国家を多数輩出し覇権を誇っていた欧州も、復興には米国の援助に依存せざるを得ませんでした。そのことで、米国に対抗し得る勢力を作り上げるべきという機運が欧州に高まったと考えられます。それには、米国の経済規模と同程度になりうるべく、欧州各国の連携が必要となりました。

このことは、第二次大戦中、ドイツと激烈な戦闘を経験しながら、戦後、フランスの指導者となったド・ゴールの姿勢に表れています。ド・ゴールは、欧州共同体ができるところまではイメージできなかったようですが、米ソ対立とは別の独自路線を貫くため、西ドイツとの連携には積極的に動きました。

■域内の合意形成そのものがEUのビジョンとなっている

EUにおいては、少数の強大な国家がすべてを支配するという覇権的な構造を取っていません。小国にも、物事を押し付けるスタンスは取らずに、話し合いによって合意形成を行っていくことを重視しています。

そのことは、欧州連合条約に定めらた「EUの存在意義」の条項(第2条)に端的に表れています。そこでは、人権尊重・法の支配を最高価値とした上で、マイノリティを尊重することが謳われています。ここにいう「マイノリティ」は、直接的には、少数民族の方、障がいを抱えた方等を指すように読めますが、EU内の小国も指すものと考えられます。

こうした、小国も含めた、合意形成の重視は、これまでの血なまぐさい欧州内の戦闘の末、生まれてきた知恵であると考えられます。つまり、大国のエゴを押し付けるような手法では、共同体をうまくまとめることができない、ということです。

(by JIN)

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