12th 4月2013

OTOSHA41「尖閣問題」day1受講記録

by tenpei

おとなの社会科、営業担当のtenpeiです。day1の受講記録は以下4点に分けて、それぞれ詳細を書いていきたいと思います。

(1)議論にならないフレームに注意
(2)歴史的な経緯で決着はつくか?
(3)どうやって決着をつけるのか?
(4)中国を理解すれば展望が見えてくる


(1)議論にならないフレームに注意
領土問題の議論でたまに出てくるフレームの例を1つ挙げます。「縦軸に軍隊あり、なし。横軸に核兵器あり、なし」という4象限図です。ここで、「軍隊も核兵器も必要だ」という主張と「軍隊も核兵器も必要ない」という主張が対立したりします。しかし、これは不毛な議論です。なぜなら、日本が核兵器を保有することは現実的には不可能だからです。詳細の説明は省きますが、米国が日本の核保有を認めないからです。このように、フレームに気をつけないと、不毛な議論に巻き込まれてしまいます。

(2)歴史的な経緯で決着はつくか? 歴史書を振返って「**年には実質的に領有していた」といった論戦が繰り広げられています。しかし、これで決着はつくのでしょうか? 琉球処分を例に解説します。琉球王国は二国(日本の薩摩藩と清国(中国))に従属していました。1880年に日本と清国の間で国境画定交渉が行われ、日本は沖縄以北を領有し、沖縄より南(石垣など)は放棄する提案を行っています。しかし、結局は清国が調印を拒み、成立しませんでした。このような、自ら沖縄より南を放棄する提案を行った事実は日本の外務省は提示しません。結局、双方が自国に有利なロジックしか出さないので、歴史的な論争で決着をつける、また我々が判断をすることは難しいのです。

(3)どうやって決着をつけるのか?
【実効支配】と【権益】が重要になります。【実効支配】はその名の通り、今現在、そこに人が住んでいる、使っている、管理している方が圧倒的に優位なことを指します。現代では、住んでいる人達を排除するという行為は国際的に認められないからです。その点で見ると、尖閣は日本優位、竹島と北方四島は韓国とロシアが優位と言えます。【権益】については、辺境の地を領有するメリットをドライに考える必要があります。人が住むには魅力がない。漁業資源はあるにせよ、それほど大きなメリットではない。尖閣で注目すべきはガス田です。日本と比べると、中国の方が圧倒的にエネルギーが不足していて、リスクのある海洋ガス採掘を行いたいのです。ここをうまく交渉材料(例えば共同開発など)に使うのが、賢い日本の行動です。

(4)中国を理解すれば展望が見えてくる
弱腰を見せたら中国が沖縄にも攻めてくる!と言っている人もいるようですが、それは本当でしょうか?産業があり、多くの人々が生活している沖縄に中国が攻めてくる理由はありますか?そもそも、中国には戦争などしている余裕はまったくないのです。なぜなら、日本以上に過酷な超高齢化社会がまもなく訪れるからです。そのために社会福祉制度を整えることが急務です。中国共産党は選挙で選ばれた訳でもなく、中国を支配している正当性が曖昧です。つまり、民衆の不平不満を溜めると、即転覆の危機に繋がるのです。国内の管理に支障をきたすようなことは絶対に避けるでしょう。 ただ、1つだけ注意すべきは「軍(人民解放軍)の暴走」です。共産党が軍を十分に管理できていない可能性が高いからです。関東軍が満州事変を独断で起こし、日本政府が追認したという歴史を振り返ると、軍の暴走は可能性があります。暴走といっても尖閣周辺での小さな小競り合いでしょうから、そのとき相手は何を期待しているのか?我々はどのような行動をとるべきなのか?を十分に検討しておく必要があるでしょう。

以上4点を見てくると、日本人の苦手なところですが、実益を考えたドライで巧妙な議論が必要なテーマだと再認識しました。

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