31st 7月2013

番外編受講レポート!日米地位協定と秘密保全法制

by tenpei

2013年7月30日、東京弁護士会主催のシンポジウム「日米地位協定と秘密保全法制」に行ってきました。 共同通信社編集委員の石山永一郎氏、元外務省国際情報局長の孫崎享氏のトーク内容を私の視点でまとめていきます。

 

■日米地位協定とは?

日本国憲法を超える日米間の地位協定。米兵が公務中に犯罪を犯しても裁判権は米国側にある。公務中でなくても原則、起訴前までは日本に身柄を渡さなくてもいい。こんな数字のデータもある。日本人の起訴率は48%に対し、米兵は17%。さらに公務執行妨害は0%。おそらく酔っぱらって米兵が警察官を突き飛ばしても起訴されないだろう。

こんなおそろしい事件も起きています。2013年5月、埼玉県在住、花屋を経営している30代の日本人男性の車がアメリカ軍のトラックに追突されて腰椎損傷の重症を負いました。被害者の男性は英語ができたので、加害者と事故直後に会話をしています。加害者は「埼玉の知人の家に行った帰りだ」と言っていました。ちなみに加害者車両の助手席には女性が乗っていたのでデートだったと推測されます。しかし、事故処理ではなぜか「公務中の事故」として処理されています。

このような事故の交渉は被害者と米軍の間に防衛省が入ります。防衛省から被害者が言われた言葉は「満額の保障はでないから腰が痛くても花屋を営業するように」です。6月に記者会見を開こうとしだ被害者は、記者会見の直前に最大手の取引先から「実名で記者会見をしたら取引を打ち切る」と言われたり、毎日のように事故について聞きに来る人がいたりと、不思議なことが身辺で起きています。

なお、石山さんは米軍に何度も取材をしましたが、加害者の所属基地、階級、氏名など何も明かされませんでした。最終的には粘りの取材で防衛省から横須賀基地所属の米兵だと聞き出しましたがこれも事実かどうかわかりません。もしかすると、要人の家族や諜報員で、米兵ではなかったかもしれません。

この話を沖縄の記者にすると「本土のメディアはなめられてるな。沖縄では絶対に氏名は出てくる」と言っていたそうです。相手に応じて態度を変える米軍なのです。ちなみにドイツは大幅に米軍駐留の規模を縮小させ、フィリピンやイラクは米軍の撤退まで成し遂げています。米軍は駐留地で大きな問題は起こしたくない。議論や交渉の余地は十分にあるのです。弱腰なのは日本だけでしょうか。

ちなみにアーミテージはこう言っている。「気に入らないならNOと言え。私は日本に沢山友人がいるが、日本の利益になるようなことをしたことはない。米国の利益しか考えていない」である。開き直りと言うかなんというか…。

 

■日米地位協定は裁判だけじゃない

現在、日本には米兵が本土に2万人、沖縄に2万人、家族も入れると8万人いると言われています。しかし、出入国が一切わからないので、実際の人数はわかりません。沖縄の米兵を8,000人グアムに移すという話が一時期出ていましたが、これが実現しても実際に移したかどうかはわからないのです。

出入国がわからないという面では、米軍基地経由で日本に入ってくる軍関係者ではない人もいます。陰謀論っぽくなりますが、基地経由で日本に入り、要人を殺害して基地経由で出国すれば足がつかないのです。

他にも凄い事実があります。首都上空にある米軍専用空域です。影響が大きいのは横田ラプコン。東京から新潟にわたる広大な面積で高度7,000メートルまでが米軍専用空域なのです。羽田空港から飛ぶ飛行機で、なんでそんなに急旋回&急上昇するの?と疑問に感じたことがある人もいると思います。一部、大田区の騒音回避という意味合いもありますが、大きくは横田ラプコンの影響なのです。日本の首相は「主権回復!」、東京都知事は「尖閣は日本固有の領土!」とか叫んでいますが、まずは首都上空の空域の権利を奪還する方が先ではないでしょうか?

 

■日米地位協定の運用面での問題

日米地位協定では米軍の駐留費は米国が持つことになっている。しかし、思いやり予算として莫大な額を拠出している。(平成25年度は1860億円。実際には米軍関係の費用を合算すると倍近い額の税金が米軍に献上されている)

また、日米地位協定に日本の法律は守ると書いてあるが「オスプレイは航空法の適用外」と野田首相が発言したりと、日本の法律は守られていない。

 

■日米安全保障条約の改悪

2005年、「日米同盟:未来のための変革と再編」で日米安保が改悪された。「国連の目的を尊重する」という言葉の抹消、「適応範囲は極東」のという言葉の抹消、=米軍の世界戦略のために自衛隊が動く、ということを意味する。

更に、情報の共有および情報協力の向上(部隊戦術レベルから国家戦略レベルまで)=日本に戦略はないからアメリカの戦略に入るということ。共有された秘密情報を保護するための追加措置を取る=秘密保持法

このような流れのもと、数年前から秘密保持法の制定に動き始めていたことがわかる。

ちなみに秘密保持法が制定されなくても守秘義務違反を徹底するだけで情報統制は成されます。最近、米国では記者の情報源を洗い出し、続々と記者と情報源が捕まっています。守秘義務違反を厳密に取り締まるだけで秘密保全法制と同じぐらいやばいのです。政府にマイナスな情報は出てこなくなる社会はすぐそこに…。

 

■国防センスのない日本

米軍と共同で離島奪還訓練のようなことをやっていたが、これはありえない。尖閣諸島に上陸した方が負けだからだ。現代の戦闘では小さな島に上陸=ミサイルで木端微塵にされる、という結果が目に見えているからだ。したがって、急襲上陸作戦というのは時代遅れである。また、米国にそそのかされて、イージス艦や尖閣にはまったく意味のないオスプレイの購入を日本は検討している。無意味に軍備を増強する=相手(中国)も増強する。つまり日本をさらに危うくする決断を日本はとろうとしてるのだ。

集団的自衛権の議論ではアメリカを狙う弾道ミサイルを自衛隊が撃ち落とすなんて議論もされているが、日本のはるか上空を飛ぶミサイルを撃ち落とすことはできない。そこで、北朝鮮の基地を先制防御と言って攻撃することになるだろう。攻撃はしなくても、攻撃できるだけの武器をそろえる。すると、今までは本気で敵視していなかった日本のことを敵視し、攻撃用の中距離ミサイルを配備する。

という、国防と言いながら国家をより危険にする日本の国防戦略。もういい加減にしてほしい。

ちなみに中国は日本に本格的には侵攻する筈がない。そんなことをしたらアジアで孤立するからだ。殆ど丸腰で南沙諸島を守っているフィリピン、産油国のカザフスタンが独立できている状況を見れば一目瞭然だ。ちょっかいは出すが、それだけだ。外交交渉を優位に進めるためのちょっかいである。

余談だが、米国の元国務長官であるキッシンジャーは1974年にこんなことを言っている。「日本人に宗教を教えるために(ここの意図は不明)、かれら(中国)を尖閣に向かわせるようにしたらいい」と。米国は随分前から尖閣という火種に注目していたようだ。

 

■フィリピンの米軍撤退から学ぶ

独裁者マルコスを支援していたのはアメリカ。そのことに対する反米批判が盛り上がり、議会で米比友好安全保障条約の批准を拒否。米軍の撤退を成し遂げた。 これはアーミテージ最初の挫折ではないかと噂されていたが、石山さんがアーミテージに直接インタビューしたところ「あの交渉は大成功だったと。アメリカは冷戦が終わってフィリピンの基地はいらなくなった。最初からいらないとアメリカが言うと、地域に誤ったメッセージを送ることになる。だから最終的に交渉して否決されたのは最高の結果だ。この結果を大統領に褒めれた」と言っていた。

横田ラプコンや普天間も、近代兵器とレーダー管制システムの進化で不要なものである可能性が高い。交渉すれば米国はNOと言うが、実は本心ではYESかもしれない。フィリピンの事例から学び、是非日本を「本当に取り戻して」ほしい。

 

■集団的自衛権、憲法改正で自衛隊の米軍化が完了する。

米軍と自衛隊が一体化するために情報機密の面で欠かせない秘密保全法の話は既にした。集団的自衛権、憲法9条改正によって、自衛隊の米軍化は完了する。これでいつでもどこでも自衛隊は米軍のおもむくままに活動できるのだ。

人権や民主主義を前に進めるために憲法を改正するのが普通だが、日本は後ろ向きに進んでいる。

なお、ケネディ大統領の娘であるキャロライン・ケネディの日本赴任はおもしろい展開になるかもしれない。キャロラインは選挙揚力でオバマとかなり親密な関係にある。そのキャロラインはイラク戦争派兵に反対の立場だったのだ。集団的自衛権の話はイラク戦争で共に戦うのが正しい!という議論のもとにある。つまり集団的自衛権と反する立場の大使が日本に赴任するということだ

これはこれで面白い流れだが、日本主導で変えていかないと本質は変わらない。いつまでたってもお上(米国)に搾取される奴隷国家のままだ。

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